ある会社で、今期100万円利益が出たとしましょう(実際の資金も100万円あるとします)。このままいくと法人関係の税金は約40万円です。 ここで皆さんが会社の経営者だったとしたら、A社長、B社長、どちらのタイプですか?A社長…今期中に、得意先の接待や消耗品の購入をして50万円使い、経費に落とした。この場合、100万円から経費で使った50万円を控除して、最終の利益は残りの50万円となり、税金は約20万円となります。B社長…将来を考え、財務体質強化のために、利益をそのまま100万円出した。 税金は約40万円です。 税金面だけを見ればA社の方が有利です。 しかし、資金がいくら残ったか、いわゆるキャッシュフロー(ぜに勘定)という観点から見ると、A社 100万−経費50万−税金20万=30万円B社 100万−税金40万=60万円 このことからわかるように、資金面から見ればB社の方が資金が増えているのです。この資金は、将来事業拡大をはかってゆくときに投資に充てることができます。 A社長のようなやり方を長年続けてゆくと、接待での酒の飲みすぎで体をこわし、入院してしまうかもしれません。また、節税のために資金を使いすぎて、決算直後に資金がショートし、仕入代金が払えず、経営困難に陥る可能性もあります。 節税は一見魅力的ですが、長い目で見ればいかに税金を多く支払うか を考え、実践していったほうが会社は伸びるということが言えます。